日本体育大学

野球は日曜だけ、三段跳びは全国3位 無名選手が“ドラ1”候補になるまでの成長過程
野球は日曜だけ、三段跳びは全国3位 無名選手が“ドラ1”候補になるまでの成長過程
愛知・誉のイヒネ・イツア【写真:間淳】 ソフトバンクがドラフト1位指名を公言、誉(愛知)の将来有望の遊撃手2年半で急成長を遂げ、ソフトバンクがドラフト1位指名を公言するまでの選手になった。愛知・誉のイヒネ・イツア内野手は高校入学時に66キロだった体重を82キロまで増やした。持ち前のスピードにパワーが加わり、スイングスピードは40キロアップ。全国200校ほどの野球部員が参加する体力テストでは、メディシンボール投げと立ち三段跳びでトップ3に入った身体能力を誇る。一体どれほどの選手になるのか。可能性を秘めたドラフト1位候補が指名を待つ。 身長188センチ、体重82キロ。長い手足が目を引き、ユニホームの上からでも胸板の厚さや下半身の筋肉が分かる。しかし、2年半前に誉高に入学した時のイヒネの体重は66キロ。モデルのような体型だったという。 中学時代は決して有名な選手ではない。「目標はプロ野球選手」。周囲に公言しても、チームメートは半信半疑だった。身体能力は高くても、パワー不足は明らかだった。 イヒネ自身も課題を認識していた。憧れのソフトバンク・柳田悠岐外野手のように、とにかく強くバットを振り、ス ...
国が進める「部活動改革」を専門家は危惧 生徒にも影響「学校から活気なくなる」
国が進める「部活動改革」を専門家は危惧 生徒にも影響「学校から活気なくなる」
2023年度から始まる「部活動改革」について部活動の専門家には不安も 教員免許を持つトレーニングコーチ塩多雅矢氏が持論部活動の専門家は、来年度から始まる「部活動改革」への不安を口にしている。部活を学校から切り離すと、学び舎の活気が失われるのではないか――。教員の働き方改革は必要としながらも「部活が矢面に立たされるのは見当違い」と疑問を投げかけている。 高校の体育の教員免許や理学療法士の資格を持つ塩多雅矢さんは現在、トレーニングコーチとして首都圏を中心に中学と高校合わせて約20校の野球部をサポートしている。学校や部活と深く関わっているだけに、来年度から始まる部活動改革には不安や違和感を拭えない。 「いろんな側面があると思いますが、教員の働き方を見直すために部活が矢面に立たされるのは見当違いと感じます。部活が学校から切り離されてしまったら、部活以外の学校生活にも影響が出ると思っています」 国が来年度から進める部活動改革では原則、教員が土日の部活動には関わらなくなる。活動する場合は、外部のコーチや指導員が担当する。教員の長時間労働を防ぐ働き方改革の一環で、部活は学校から地域へ移行される形だ。 ...
抵抗ある“成長期の筋トレ”…やってもOK? オフシーズンの効果的な鍛え方を解説
抵抗ある“成長期の筋トレ”…やってもOK? オフシーズンの効果的な鍛え方を解説
抵抗ある“成長期の筋トレ”についてオフシーズンの効果的な鍛え方を解説 成長期の子どもたちに対するオフシーズンのトレーニング肘内側側副靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)の権威である慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の古島弘三医師は、野球上達への“近道”は「怪我をしないこと」だと語ります。練習での投球数を入力することで肩や肘の故障リスクが自動的に算出されるアプリ「スポメド」を監修するなど、育成年代の障害予防に力を注ぎ続けてきました。 では、成長期の選手たちが故障をせず、さらに球速や飛距離を上げていくために重要なのは、いったいどのようなことなのでしょうか。古島医師は休養の重要性を訴える一方で、体を鍛えたり、柔軟性を高めたりすることも必要だと話します。この連載では、慶友整形外科病院リハビリテーション科の理学療法士たちが、実際の研究に基づいたデータも交えながら、怪我をしない体作りのコツを紹介していきます。今回の担当は貝沼雄太さん。テーマは「成長期のトレーニング」です。 ◇◇◇◇◇◇◇ 成長期におけるトレーニングはどうするべきなのでしょうか。野球に関する世界的なトレーナーであるデイビット・ ...
子どもに「集中しなさい」は効果なし 専門家が少年野球で勧める正しい“声かけ”
子どもに「集中しなさい」は効果なし 専門家が少年野球で勧める正しい“声かけ”
集中力を高めるための“正しい声かけ”とは? ミスや観客を気にしている可能性 大切なのは「何に集中するか」の声かけ子どもが集中力を欠き、試合で力を発揮できないと悩む少年野球の指導者や保護者は多い。ジュニアからプロまでメンタル面の指導をしているスポーツメンタルトレーニング指導士・筒井香さんは「集中しなさい」という声かけは効果が薄いと指摘する。打席で集中していないように見える選手の中には「不必要な集中」をしているケースがあるという。 ――少年野球では、集中力の差で勝負が決まる時もあります。子どもたちが集中力を高める方法はありますか? 少年野球のグラウンドなどスポーツの現場では、「集中しよう」「集中していないぞ」という声が飛び交っていることが多いです。ただ、実際に起こっているのは、集中していないのではなくて、不必要に集中している時の方が多いと思います。保護者の方から「うちの子はゲームばかりしていて集中力がない」と相談される時がありますが、ゲームに集中できているわけで、子どもに集中力がないわけではありません。いつ、どこに集中するのかコントロールできていないだけと考えられます。 ――不必要な集中と ...
プロ野球で日本一5回→女子野球で辣腕監督 元“万能選手”が生かす名将の教え
プロ野球で日本一5回→女子野球で辣腕監督 元“万能選手”が生かす名将の教え
西武、中日、ダイエーでプレーした広橋公寿氏【写真:加治屋友輝】 岩隈久志氏が創設した「青山東京ボーイズ」で監督を務める広橋公寿氏現役時代にリーグ優勝6回、日本一5回を経験し、のちに女子野球の監督としても日本一を達成した男がいる。選手としては西武、中日、ダイエー(現ソフトバンク)に在籍、プロでは投手と捕手以外のポジションをこなしたかつてのユーティリティプレーヤー・広橋公寿氏だ。現在は青山東京ボーイズの監督。「この中からプロ野球選手を」との目標を掲げ、子どもたちへの指導にすべての力を注いでいる。 青山東京ボーイズは、広橋氏の長女の夫でもある元メジャーリーガーの岩隈久志氏がオーナーを務め、今年創設したチームだ。練習では子どもたちの笑い声が響く。広橋氏は背面キャッチを披露したり、ジョークを飛ばしたりしてムードアップ。「ウチは明るく、元気に、楽しく、ですからね。でもメリハリはつけてますよ。例えばグラウンドでダラダラしているとちゃんと言います」と声を大にした。 広橋氏は東海大五(現在は東海大福岡)、八幡大(現在は九州国際大)、東芝を経て、1980年オフにドラフト外で西武に入団。俊足、好守、巧打で知 ...
子どもへの過度な期待&叱咤は「成長止める」 日本一の監督が保護者に求める役割
子どもへの過度な期待&叱咤は「成長止める」 日本一の監督が保護者に求める役割
上一色中・西尾弘幸監督【写真:伊藤賢汰】 全国大会優勝上一色中・西尾監督「保護者も含めてチーム」小、中学生が野球をする上で、保護者のサポートは不可欠となる。程度の違いはあっても、保護者は子どもたちやチームと関わりを持つ。8月の全日本少年軟式野球大会で優勝した東京・上一色中では、指導者と保護者が「近すぎず遠すぎない関係」を築いている。チームを率いる西尾弘幸監督は「保護者も含めてチーム」と話す。ただ、保護者が過度に子どもへ期待をかけたり、厳しく叱ったりするのは「子どもの成長を止める」と注意を呼び掛けている。 上一色中では保護者がローテーションを組んで、選手を練習や試合場所まで車で送迎している。西尾監督は「遠征の時に車出しなどのサポートをしていただくことがあります。ただ、選手の怪我や熱中症に対応する休日の当番は、部員数が多いため回ってくるのは数か月に一度くらいです」と説明する。 「以前はバスで遠方への遠征をしていましたが、保護者の出費やコロナ感染拡大のこともあり、最近は遠方にはほとんど行かなくなりました。保護者の皆さんには、チームのサポートが負担にならないようにしたいです。ただ、実際にグラウ ...
怒声や罵声、親の負担もなし…大阪で発足の少年野球チームが提唱する“子どもファースト”
怒声や罵声、親の負担もなし…大阪で発足の少年野球チームが提唱する“子どもファースト”
ラフなスタイルで練習を行う「レジリエンスソウル」の子どもたち【写真提供:レジリエンスソウル】 大阪・寝屋川市で活動する「レジリエンスソウル」が新たな少年野球の形を提唱大阪・寝屋川市で活動する少年・少女野球チーム「レジリエンスソウル」は2019年10月に発足した新しいチーム。基本の徹底、運動能力の向上を目指し、走り方など、スポーツ全般に共通する動きを教えている。練習時間も1日3時間とし、お茶当番や無理な車出しもない。創設者はこれまで2つの学童野球チームを経て、“悪しき慣習”を排除し、“子どもファースト”の考えで指導を続けている。 Tシャツ姿に短パン。ハイソックスにスニーカー。ラフなスタイルで子どもたちは体を動かしている。バットやボールを持っていなくても、子どもたちは楽しそうだ。走る姿勢を学び、ジャグリングでは空間認知能力を高め、可能性や視野を広げている。 チームの眞壁大佐代表は「小学生のうちに身につけることのできる動きは限られています。野球ばかりではなく、子どもたちが他のスポーツを行った時にも使える体作りをしてあげようと思って、取り入れています」と方針を説明。たとえ、小学生で野球を離れ、 ...
バットに上手く当てるには“置きティー” 中学軟式日本一の監督が勧める練習法
バットに上手く当てるには“置きティー” 中学軟式日本一の監督が勧める練習法
東京・上一色中の西尾弘幸監督【写真提供:上一色中学野球部】 全国制覇の上一色中・西尾監督「右打者なら左膝の前辺りに置く」東京・上一色中は8月の全日本少年軟式野球大会で初優勝した。その原動力となったのが、大会ナンバーワン投手を攻略した打力。チームを率いる西尾弘幸監督は個々の選手に合った指導を心掛けているが、バットにボールが上手く当たらない選手には共通点があると指摘する。課題解決の方法の一つにティースタンドを使った練習を挙げている。 上一色中は全国大会の初戦で大会ナンバーワン投手の呼び声が高かった最速143キロ右腕・森陽樹投手(3年)擁する聖心ウルスラ学園聡明中(九州代表・宮崎)に勝利。練習の6~7割の時間を割く打撃を武器としているが、入学当初は、前から投げたボールを打ち返せない選手もいる。西尾監督は解決方法の一つに、ティースタンドを使った練習を勧めている。 「バットに当てる練習をするのであれば、置きティーが一番良いと思います。ただ、ボールが止まっているため当然打ちやすくなります。気持ちよく打てるポイントにティースタンドを置いて練習していると、動いている球の対応が難しくなります」 西尾監督 ...
保護者と指導者は「一線が必要」 全国3位に躍進の少年野球チームが保つ大事な“距離感”
保護者と指導者は「一線が必要」 全国3位に躍進の少年野球チームが保つ大事な“距離感”
今夏の「マクドナルド・トーナメント」で3位になった埼玉・熊谷グリーンタウン【写真:加治屋友輝】 埼玉・熊谷グリーンタウンは今夏のマクドナルド・トーナメントで3位少年野球の子どもを育てる保護者の悩みの1つに、子どもや指導者との“距離感”がある。気付いたことを何でも伝えた方がいいのか、関わり過ぎない方がいいのか。どんな親子やチームにも当てはまる、絶対的な正解はないかもしれない。8月に開催された少年野球の日本一を決める「高円宮賜杯第42回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」で3位になった埼玉・熊谷グリーンタウンの斉藤晃監督は「一線が必要」と考えている。 埼玉・熊谷グリーンタウンは今夏、「小学生の甲子園」と呼ばれる「マクドナルド・トーナメント」で3位となった。チームを率いて16年目を迎えた斉藤監督は「表彰式でメダルをもらった時の子どもたちや保護者の方の表情を見たら、監督をやっていて良かったと感じました」と嬉しそうに振り返る。 まだ選手が小学生の少年野球では、保護者がチームをサポートするケースが多い。熊谷グリーンタウンでも保護者が子どもたちを送迎し、グラウンド設営などを手伝っている ...
いい選手になる条件は「足」 元楽天ドラ1が子どもたちに勧める“走る練習”
いい選手になる条件は「足」 元楽天ドラ1が子どもたちに勧める“走る練習”
楽天でアカデミーコーチを務める戸村健次さん【写真提供:Rakuten Eagles】 2019年まで楽天でプレーした戸村健次氏は今年度からアカデミーコーチ2009年ドラフト会議で楽天から1位指名を受けた戸村健次さんは現役引退後、古巣でアカデミーコーチを務めている。少年野球の子どもたちに上達のポイントとして伝えているのは、反復と継続。情報があふれる今の時代は練習法を簡単に変えられるが、同じやり方を一定期間続けなければ成果は得られないと考えている。練習の中でも特に「走る」大切さを強調する。 2019年まで10年間、楽天で投手としてプレーした戸村さんは、今年度からアカデミーコーチとなった。少年野球の子どもたちは、野球がうまくなりたい気持ちを持って指導を受けている。ただ、その思いが強すぎるあまり、子どもも保護者“すぐに”結果を求める時がある。戸村さんは「うまくなるための近道はない」と考え、反復と継続の重要性を伝えている。 「反復練習で同じ動きを繰り返して、数をこなします。それを続けることでしか、野球はうまくならないことにたどり着きました。今はいろいろな情報を得られる時代なので、練習のやり方を変 ...